調査と研究

調査と研究

マラソン中の突然死

●マラソン前後の血液検査…腎機能・電解質

1)ハーフマラソン
  塩江ハーフ前
03.11.01
塩江ハーフ後
03.11.03
うずしお前
04.02.28
うずしお後
04.03.01
尿素窒素 15.3 16.3 19.7 16.2
クレアチニン 0.8 0.8 0.8 0.9
尿酸 5.2 6.0 5.5 5.7
ナトリウム 141 136 140 142
カリウム 5.7 11.8(AG) 5.4 4.4
クロール 101 104 101 102
2)フルマラソン
  南阿波前
03.11.15
南阿波後
03.11.17
瀬戸内海前
03.11.29
瀬戸内海後
03.12.01
口熊野前
04.01.31
口熊野後
04.02.02
尿素窒素 13.4 21.4 13.7 16.2 15.3 19.6
クレアチニン 0.8 0.9 0.8 0.8 0.9 0.8
尿酸 5.3 5.6 5.8 5.6 5.5 5.5
ナトリウム 140 141 138 140 140 142
カリウム 6.3 5.0 5.0 4.5 5.2 4.2
クロール 100 100 100 101 103 101
3)100kmマラソン

アミノ酸サプリメント服用なしの100kmマラソン

  奥熊野前
03.04.25
奥熊野後
03.04.28
飛騨前
003.05.23
飛騨後
03.05.26
尿素窒素 16.7 22.9 13.6 19.5
クレアチニン 0.7 0.8 0.7 0.8
尿酸 5.6 4.7 5.6 5.3
ナトリウム 138 139 139 143
カリウム 6.1 3.8 5.9 4.1
クロール 100 101 101 104

アミノ酸サプリメント服用した100kmマラソン

  にちなん前
03.06.21
にちなん後
03.06.23
村岡前
03.09.26
村岡後
03.09.29
四万十川前
03.10.17
四万十川後
03.10.20
尿素窒素 15.4 19.5 18.1 27.5 18.3 23.9
クレアチニン 0.8 0.8 0.8 0.9 0.8 0.8
尿酸 4.9 4.6 5.5 5.9 5.5 5.6
ナトリウム 140 142 139 140 140 142
カリウム 5.2 4.2 6.3 4.6 6.0 4.4
クロール 100 104 101 100 100 101
4) マラソン前後の腎機能検査と電解質について

1.尿素窒素はハーフから100kmマラソンまで全般にマラソン後に上昇している。ただし、「うずしおハーフマラソン」のみマラソン後に低下している。

2.尿素窒素はハーフやフルマラソンより100kmマラソンの方がマラソン後により上昇している傾向にある。

3.サプリメント服用有無で100kmマラソン後の尿素窒素の変化はあまりないように思われた。

4.クレアチニンはハーフから100kmマラソンまでマラソン後に同じか、0.1程度の上昇を認めた。

5.尿酸値はマラソン後に上昇、低下どちらもあり一定した傾向は認められなかった。

6.電解質のナトリウムとクロールはマラソン後に全般に上昇している。カリウムは採血時間が異なるので、検討できない。

注1:採血時間はどの大会も同じ時間帯で、マラソン前は昼食前のPM0時前後、マラソン後はPM3時前後に行いました。
注2:カリウム値は採血後時間から検査する時間まで長くなるに連れ上昇する傾向にあります。当院の検査は外注によるもので採血より検査まで時間を要しています。
注3:尿素窒素はクレアチニン値と共に腎機能、糸球体濾過量の指標として用いられているが、それ以外に尿素の産生亢進の場合上昇する。それには、高タンパク食、消化管出血、組織の異化亢進・・・絶食、発熱、火傷、感染症、外科手術・・・などがある。今回の尿素窒素の上昇はクレアチニン値の上昇が少ないことより、尿素の産生亢進のメカニズムにより上昇したものと考える。よって腎機能そのものが悪化したとは考えていない。

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