調査と研究

調査と研究

マラソン中の突然死

●実技型運動負荷心電図の実際  フルマラソン

2003年11月16日 南阿波サンライン黒潮マラソン(徳島県)

フルマラソン大会にて私は伴奏者として、ブラインドランナーのGさんと共に心電計を装着して走りました。この日は11月にしては高温でマラソンを走るにはやや暑く感じる1日でした。コースは徳島県の南の景勝地の起伏の多い海岸線を走るものでした。制限時間は6時間であります。完走時間は4時間58分3秒(中間地点では2時間15分14秒)で、エントリー数590人中286位でした。

1)私のデータ(50歳)

記録は6時2分から14時55分までの8時間52分。最小心拍数は60/分、最大心拍数は197/分、総心拍数は73,639ビートでした。不整脈についてはレース前とレース後に単発性の心室性外期収縮を認めました。レース中は不整脈は認めませんでした。なお、マラソンにおける記録時間は9時30分から14時28分までです。

心拍数

時刻 心拍数
最小
心拍数
平均
心拍数
最大
総数
6:02 60 89 117 5007
7:00 72 93 119 5476
8:00 71 98 131 5732
9:00 75 140 187 7664
10:00 153 183 197 10763
11:00 147 176 192 10362
12:00 150 180 197 10580
13:00 136 165 182 9667
14:00 119 156 187 8388

圧縮心電図(11時0分〜11時30分)

 

2)Gさんのデータ(40歳)

記録は8時40分から14時53分までの6時間13分。最小心拍数は48/分、最大心拍数は178/分、総心拍数は49,674ビートでした。不整脈はレース前からレース後まで全く認めませんでした。

時刻 心拍数
最小
心拍数
平均
心拍数
最大
総数
8:40 48 58 72 1146
9:00 48 116 159 5940
10:00 115 153 174 8959
11:00 119 150 166 8806
12:00 119 163 178 9472
13:00 70? 152 170 8718
14:00 74? 138 174 6833

 

圧縮心電図(11時0分〜11時30分)

圧縮心電図(13時0分〜13時30分)

なお、Gさんは大会前に「ぎっくり腰」になり、30km過ぎからその腰痛に悩まされ、数回エイドその他のところで数分間立ち止まりました。また、13時ごろから発汗多量のため、電極が一部外れたための記録不良が所々現れました。その部位はポーズとして、記録停止が数十秒間ありました。そのため13:00と14:00の最小心拍数が70とか74とか低い数値がでたと思われます。よって、この値は正確な記録によるものではありません。正確なデータは13時までであります。以後は参考値として取り上げました。

3)マラソン中の2人の比較

同じ距離、同じスピードで走ったにもかかわらず心拍数の数値に大きな差がでました。Gさんの最小心拍数(13時まで)の115〜119に比して、私のそれは(13時まで)は147〜153とかなり大きな値でした。最大心拍数はGさんの場合159〜178で、私は187〜197になっていました。

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